2016年(平成28年6月) 12号

発行所:株式会社 山田養蜂場  http://www.3838.com/    編集:ⓒリトルヘブン編集室

〒880-0804 宮崎県宮崎市宮田町10-22-203

ニンジン(中くらい)

へべす

レーズン(大)

クルミ

オリーブオイル

蜂蜜

粒マスタード

パセリ

■ キャロット ラペ   材料(4人分)

2本

1個(レモンでも可)

15個ほど

適量(他のナッツ類でも可)

大さじ2杯

大さじ1杯

大さじ1杯

適量

適量

桑原 研郎(くわはら けんろう)

1976年生まれ。2003年に宮崎市で開業した「ボンターブル」のオーナーシェフ。イタリア料理を中心に、欧州料理を書籍や食べ歩きをして独学で学ぶ。「県産野菜のバーニャカウダ(北イタリア料理・暖かいソースの意)」が、宮崎市健康増進課の「伝えたい健やかなおとなメニュー」に選定。地産地消にこだわり、安心で健康な料理を作ることを目指している。

調理台にはニンジン2本が転がっている。それにへべすが一個。宮崎県日向市特産で独特の香気と風味に特徴がある柑橘類だ。

|「レモンで良いんですけど、宮崎っぽくへべすを使うことにしました。へべすがちょうど今出始めですね」

さすがに地産地消にこだわる桑原シェフだ。一般的なレシピの中にも何とか宮崎色を出したいと工夫している。

|「ニンジンが苦手な子どもさんも多いので、オレンジを入れたりリンゴを入れたりするレシピも一般的みたいですね。材料としては、あとクルミですね。ナッツは何でも良いんですけど、松の実だったり、カシューナッツやアーモンドだったり色々あると思うんですけど、今日はちょっとおしゃれにクルミということで。レーズンも使います。あと蜂蜜、オリーブオイル、粒マスタードと塩ですね。粒マスタードって辛くないですよね。酸っぱいですよね。へべすと粒マスタードの酸味と蜂蜜の甘みが相性が良いですね。キャロット ラペには、甘さを入れない人もいるんですけど、やっぱり甘みがあった方が美味しいですね。甘みに砂糖も使えますが、蜂蜜のようにまろやかな相性の良さは出ないですね」

一通り材料の説明をしてくれた桑原シェフが、ニンジンの皮を剥いてから縦にスライスし、それを重ねて千切りにしていく。

|「ニンジンの切り方で結構食感が変わっていくんですよ。試しに包丁で千切りしたのとピーラーで薄く千切りにしたのを作ってみたんですが、やっぱり手で作った方が良いですね。ニンジンは細かい方が食感は良いと思うんですよ。なるべく細かく切りたいんですけど、機械で切るとどうしても水が出ちゃいますもんね。こう見ると、ニンジンの切り方にむらがあるのも美味しそうですね」

千切りができたら、塩を2つまみ入れてボールで和える。「これでしばらく置いたら水が出てくるんで、その水は切りますね」。わずかな時間でニンジンはしんなりとしてきた。塩の力に驚く。ニンジンから水分が出てくるのを待つ間に、レーズンをお湯で戻す準備だ。

大きめのレーズンが15個ほど入ったボールに熱湯を加えて戻し、食感が同じになるよう薄切りにしていく。「レーズンに軸が付いているのが、たまにあるので、あれは丁寧に取った方がいいですよね」。

しんなりしてきたニンジンの千切りをペーパータオルに包み、力一杯ギューッと絞ると、ペーパータオルがびっしょりになるほどの水分が出てきた。

|「しんなりすることで、これから加えるオリーブオイルやへべす、それに蜂蜜が馴染み良くなりますよね。レーズンをお湯で戻したのも同じ目的です。クルミも食感を合わせるため、ざく切りにして大きさを揃えますね」

強く絞って球状になったニンジンの上に、レーズンの薄切りを加え、クルミのざく切りを加えていく。

|「そして、オリーブオイルを加えます。大さじ2杯くらいかな。それに粒マスタードを大さじ1杯、へべすを半分に切って絞りかけます。残り半分は盛り付けに使いますよ。そして、蜂蜜ですね。大さじ1杯くらいです。これで、味付け用の塩を一つまみ加えて和えます。あっ、匂いが良い。オリーブオイルの香りの他に、粒マスタードと蜂蜜が合わさった匂いですね。これでちょっと馴染ませたら出来上がりです。10分くらい馴染ませたら、もう食べられるんですけど、これは結構作り置き可能なんで、冷蔵庫に入れて保存しとけば、サラダが欲しいと思った時いつでも使えますよね。1日、2日置いても美味しさは変わらないです。サンドイッチに入れたり、肉料理の付け合わせにも良いですよ」

冷蔵庫で10分ほど馴染ませた後、大きめの白い器にたっぷりと盛り付ける。周りにスライスしたへべすを並べ、パセリのみじん切りを散らすと、鮮やかなニンジンの色にへべすとパセリの緑色が清々しさを演出し、食欲をそそる夏サラダが出来上がった。

ニンジンは食感を残したままでしんなりとしている。酸味が先行する一般的なサラダドレッシングとは異なり、穏やかで丸みのある酸味がニンジンを生で食べていることを忘れさせる。酸味と甘みの絶妙なバランスが、人生の奥深さを知る大人のニンジンサラダの味を思わせた。

① 塩をして水が出てきたら強く絞る

② 湯で戻したレーズンの薄切りを加える

③ 食感を合わせるためクルミを刻む

④ オリーブオイルを大さじ2杯

 

⑤ 粒マスタードを大さじ1杯

⑥ へべす半分を絞り掛ける

⑦ 蜂蜜スプーン1杯を加える

⑧ 和えて冷蔵庫で馴染ませる

▶この記事に関するご意見ご感想をお聞かせ下さい

Supported by 山田養蜂場

 

Photography& Copyright:Akutagawa Jin

Design:Hagiwara Hironori

Proofreading:Hashiguchi Junichi

WebDesign:Pawanavi