ベトナムから技能実習生
農業技能実習生のフォンさんがベトナムから持参した帽子を被ってイチゴの収穫をする
続いてハウスに姿を見せた誠一さんは、畝を跨ぐフレームの両側に自転車用の小さな車輪を取り付けた台車の上に、収穫したイチゴを入れる発泡スチロール箱を載せ、片側の椅子に腰掛けた。そして誰よりも先に収穫を開始した。
「私は溶接ができるので(台車を)自分で作ったんですけど、腰掛けて(イチゴの)収穫ができて便利が良いですよ」
農業技能実習生としてベトナムから来ているグェン・ティ・フォンさん
農業技能実習生としてベトナムから来ているグェン・ティ・ティンさん
間もなくするとハウスの外から「お早うございます」と明るい声が聞こえてきた。ベトナムから来ている農業技能実習生2人と近所の主婦徳永恵子(とくなが けいこ)さん(65)、それに寿美江さんの4人が出勤してきてハウスが活気づく。
プチッとイチゴの細い茎を折る微かな音が聞こえる。ファーム貞光の全従業員7人でイチゴの収穫が始まったのだ。ベトナムから来ているグェン・ティ・フォンさん(26)とグェン・ティ・ティンさん(24)の2人がファーム貞光で働き始めて丸1年。
「ここね、ほんとにみんな優しい。私とお父さん(誠一さん)、先月(夫もベトナムから来て働いている)久留米に行きました」と、フォンさんが嬉しそうだ。フォンさんとティンさんは自炊だと言う。「私たちは野菜色々植えています。お米はお父さんからもらって、肉だけ買います」。実習期間の3年間(2年間の延長もある)を倹しく工夫して過ごす覚悟が伝わってくる。
5月中旬まで続くイチゴの収穫。「多い時は1日2000パック出荷しますから、他の仕事が進まんとですよ。蜂も行かないけんとですけど。3月第1日曜を休んでから、昨日が初めての休日でした」と、誠一さん。
昼近くまで掛かったイチゴの収穫を終えると箱詰め作業が待っている
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