王は居ると思うですけど見付けきらん
ファーム貞光に近いレンゲ畑では、緑肥として5月中旬に鋤き込むまで蜜蜂が飛んでくる
午後は、皆がイチゴの箱詰めに集中している中で、雅彰さんと遥輝さんが蜂場へ内検に行くのに同行させてもらう。
最初に行った蜂場は隣の宮若市にある「古野さん」と呼ぶ広々とした蜂場。
「採蜜して10日目になるんで、どれ位の蜜が溜まっているかを見るのと、卵の状態や群の成長具合を確認します。ほんとは雄蜂(の幼虫が居る巣房の蓋)を切りたかったけど、包丁を忘れてきたけん」と雅彰さん。
蜜巣板を取り出して払った蜂が巣箱に入らないで巣門付近に集る
雅彰さんと遥輝さん、それぞれが燻煙器とハイブツールを手に巣箱を内検する。端から順にというのではなく飛び飛びに内検していく感じだが、時折、2人が同じ巣箱を覗いて何やら話し合っている。
「これは王が居らん群やったんで自然王台を入れたんですけど、(新しく生まれたはずの)王さんが見つからんですもん。群は荒れておらんけん、王は居ると思うですけど見付けきらんです。卵は無いんですよ。処女王なら小さいけん、見付けるのが難しいですもんね」と、ここでも楽観的な見解を示す雅彰さんだ。
遥輝さんが巣箱の端を持ち上げて重さを確認している。「これちょっと重かったですもん。ギリギリまで(巣板を)詰めて、もう1枚入れときます」と、新しい巣板を追加している。養蜂の経験3年の遥輝さんもすでに1人前の養蜂家のようだ。
「5月1日に採蜜できれば……。後10日か、ちょっと厳しいかも知れませんね」
雅彰さんが、次の段取りについて思いを巡らしている。
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