養蜂を始めてから良いことばっかり
「貰ってくれ」と言われて譲り受けた蜂蜜を瓶詰めする機械が倉庫に設置されている
「息子たちが(農業に)入ってきて全く変わってきたですね。給料も出せるようになっていますからね。養蜂を始めてから良いことばっかりあるんです。蜂蜜を瓶詰めする機械を『要らんから持っていってくれ』って言われてですね。私も要らんからと断っておったんですけど、3年くらい言い続けられて、結局、持って来て貰って2年くらいは放置してました。けど、それが今は大活躍なんです。1日に500ℓ詰められるんですよ。それにイチゴジャムを作る機械が欲しくて〈ものづくり補助金〉を申請していたんですけど、それが今年通ったんですよ。(国鉄を)首切られた時は落ち込んだですもんね。また落ちるんかなぁ思うて、あんまり調子に乗らんごつしよるんですよ」
誠一さんの話しぶりから雅彰さんと遥輝さん2人の息子も一緒に農業を始めてくれた喜びが伝わってくる。
採蜜を終えて倉庫に帰ると、雅彰さんが一斗缶を拭き、誠一さんが遠心分離機を拭いて仕事を終える
「2年前からイチゴ栽培でも新しい方法を取り入れたとですよ。ハウスの中の炭酸ガス濃度を上げてイチゴの光合成を促進させるとですけど、空気中の炭酸ガス濃度は400ppmなんですね、それをイチゴが光合成しても維持するように、灯油を焚いて炭酸ガスが発生するごとしよります。ハウス内の環境測定データがスマートフォンに転送されてくるとですが、炭酸ガス濃度が減りよるとを見た時にはびっくりしました。光合成しよるとやね。目に見えるとばいちゅうてからね。実際に今年はイチゴの出来が良かったですね。農協が『まだあると』と言うぐらいあるとですよ。炭酸ガスのお陰やな。だけん、収量を上げようと思うたら、農業ちゅうのは面白みはあるとですよ」
この日のイチゴの収穫は午前中一杯続いた。本来は、4反8畝のイチゴハウスを半分ずつ1日置きに収穫するのだが、前日に収穫を休んだため、この日は全ての畝を収穫しなければならなかったのだ。
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