何でこんなようけ死ぬんやろか
山瀬蜂場で内検をしていた山本技術部長が花の少ない時期の餌として砂糖水を与える
翌朝は、宿まで山本部長に迎えに来てもらった。
「若い時は大阪で自動車部品の工場に勤めておって、それから精密機械の部品を作る会社に25年間ぐらい60歳の定年まで勤めておりましてね。それからシルバー人材センター言うたら分かりますか。今の時期やったら草刈りの仕事が多いよね。そこで4年ぐらい働いておって、仕事の行き帰りに影山養蜂研究所の看板を見ておりましてね。それで蜜蜂を分けてもらおうと思って寄ったのが転機になりましたね。2群分けて貰ったんですよ。それがダニやら何やらで居らんようになってしもたんですよ。蜜蜂が居ったら蜂蜜が採れるというような簡単な考えやったんですね。蜜蜂が居らんようになる原因がなかなか分かりづらいでね。病気やから、早よ言や、お医者さんと一緒じゃわね。何でこんなようけ死ぬんやろか思うてね。それがダニやと教えてもろうて、初めて知るようなことやったですからね。研究所に行くようになって6年ほどになりますかね。週に4回、月火木金、勉強に行っているんですけど、2年ほどして技術部長に就任したんですわ」
巣箱の縁に集っていたアリをバナーで焼く
Supported by 山田養蜂場
Photography& Copyright:Akutagawa Jin
Design:Hagiwara Hironori
Proofreading:Hashiguchi Junichi
WebDesign:Pawanavi