2025年(令和7年12月) . 88号
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失敗を怖れず挑戦してみる県民性
伝さんが案内する町歩きの途中で発見した変わりシーサー
沖縄県で最も古く養蜂を始めた新垣養蜂園は、沖縄県の特徴ある風土を活かしながらも、伝さんが試している乳酸菌の噴霧やスマート養蜂WKGへの挑戦、求さんが試している〈えひめAI〉の噴霧など、保守的な技術や固定観念に囚(とら)われないで、新たな可能性に挑戦している姿に養蜂の可能性を感じた。その背景には、19世紀まで琉球王国という国家だった歴史が支える誇りと、南国的気質を表す「なんくるないさ」という言葉があるように、失敗を怖れず挑戦してみる県民性があるように思える。
それともう一つ、今回の取材で印象に残っているのは、勉さんの妻の朋子さんから聞かせてもらった話だ。
「結婚してすぐの頃でした。沖縄には『なしる』という方言があって、女の人はちょっと下がって見られていたんです。それで食事の時には男の人とは別に食べる習慣があったんですけど、お義父さん(初代)が『これはいけないから皆で一緒に食べよう。丸いテーブルを買ってきなさい。皆で平等に食べよう』と言ってくれたんですね。開拓者というのか、古いしきたりを壊して新しい生活様式を提案してくれたんです。そんなお義父さんの考え方には感動しましたね」
新垣養蜂園には、初代から伝わる開拓者魂が息づいている。
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