2026年(令和8年9月) . 91号
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養蜂は会社にとって渡りに舟
鈴木さんが「きみつのさんぽ道」の蜂場で燻煙器を準備する
もう一か所、鈴木さんが巣箱を置いているのは、千葉県君津市馬登の鹿野山(かのうざん)の中腹にあって、内山緑地建設株式会社が所有する苗木畑の中の「きみつのさんぽ道」だ。環境省から「自然共生サイト」の認定を受け、生物多様性が図られている。
内山緑地建設君津事業所の楢崎 久光(ならざき ひさみつ)部長(61)に鈴木さんとの出会いについて伺った。
「私どもの会社の本質が環境を守る事業なんで、君津市の緑化祭という里山事業が行われた時、鈴木さんと出会いましてね、12、3年前でしたかね。40ヘクタールほどある苗木畑の中に巣箱を置いて養蜂を行うという福祉事業所との共同事業の提案があったのですよ。こちらとしては渡りに舟でした。年に数回は福祉事業所から作業に来て養蜂の仕事をしていますよ」
きみつのさんぽ道の蜂場の前で鈴木さん
その時のことを鈴木さんも良く覚えていた。
「その当時、NPO法人をやっていたもんですから、蜜蜂の目線からみた環境緑化、生物多様性の話をさせていただいたんです。すると楢崎さんから声を掛けてもらって啓発活動で協力する関係が生まれたんですね。経済的なメリットはありませんけど、企業とコラボしないと出来ないことは沢山ありますので……」
周りに広がる内山緑地建設君津事業所の苗木畑を間近に見て、遠くに霞む東京湾と京葉工業地帯の一角が見える2階の事務所で話を伺った後、鈴木さんが巣箱を置いている「きみつのさんぽ道」の蜂場へ案内してもらった。
鈴木さんが正規の遊歩道になっている「きみつのさんぽ道」から逸れて雑草の茂った坂道を下って行くと、上空を覆うように大木が枝を伸ばした樹陰の静かな空間に入った。樹齢60年余のシナサワクルミの大木が4、5本、土手の上から枝を伸ばしている。その樹陰の中に足場パイプをしっかり組み合わせた長さ20メートルほどの蜂場が作ってある。地表から50センチほどの高さに足場踏板が渡してあり、その上に巣箱が一箱ずつ置いてある。2段になった継ぎ箱もあるが、継ぎ箱の高さは通常の半分ほどだ。
「隔王板を使わないで蜜房専用にするため、蜜巣板の高さを通常の半分にして、自然巣でもなるべく早く巣房を作らせるためなんです」と、鈴木さんが説明する。
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