2021年(令和3年8月) 55号

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4日間で蜜巣板がほぼ一杯

 太史さんが継ぎ箱から巣板を引き出すと、蜜房に溜まった蜂蜜が太陽に照らされてキラキラと輝く。巣板の下の方に幾つもの王台が飛び出している。太史さんは一つひとつの王台をハイブツールで根から削り取っていく。小指の先ほどの王台が幾つも出来ているということは、それだけその蜜蜂群の勢いがあることの証しでもあるので、歓迎すべきことなのだが、王台をそのまま置いて新女王が誕生すると、元から居た旧王は半数近くの働き蜂と共に分封をする動きが出てくる。そのためには、王台を潰しておかなければならないのだ。

 「気温が高くて、流蜜が重なると余計ですね。巣板の下の方に小さな王台が幾つもできていますね。4日間で蜜巣板がほぼ一杯になっていて、今年はこれまでにないくらい良いですね。(蜂蜜の糖度が高くなる)熟成にはまだですけどね」

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