熊の被害は初めて
若畑蜂場で内検をする髙橋さんが巣房の底を見ようと太陽光に巣板を当てる
「町内の若畑蜂場に、ヒグマクラスのでかい奴が入っちゃって、電柵を越えて。巣箱5箱が倒されて、しっかり巣板の蜜を食べてましたもん。次の日にも、4箱食べられてしまって。これは駄目だということで、電柵を内と外の2重にして、電線を外側は3段、内側を4段に高くしました。それで熊は入れないですから、翌朝は、電柵の周りをグルグル歩いた熊の足跡があって、怖かったですよ。それで、猟師さんに頼んで檻の罠を蜂場の近くに仕掛けてもらったんです。もう翌日には罠に入ってて、隙間から鉄砲差し入れて、バーンと……。猟師さんの仕事は早いですね。養蜂を始めて6年目、熊の被害は初めてでした。西和賀町の北側に高くはないのですが、登山家が好きな和賀岳(1439m)という山があってですね。ブナの原生林が残っていて自然の懐が深い山なんです。以前はマタギが活躍する舞台だったですね。それ位自然が豊かなんで熊も居るんですよね。今月の後半になると、マイタケとかが結構採れますから。今年は8月に雨が多かったので、キノコは良いんじゃないかと言われてますね」
髙橋さんが巣板を10℃以下で保管するために設置した船舶用冷蔵コンテナの扉を開ける
「自分は、元々ニホンミツバチから(養蜂に)入ったんです。それで現在も、ニホンミツバチの待ち箱を作っているんですよ。隣の大野地区で羊や地鶏を飼ってソバなどを栽培している農業グループがあって、農業には蜜蜂が欠かせないので仲良しになって、去年は50箱作って設置したんですけど成果はゼロ。今年も50箱作ったら、ニホンミツバチの分封群が1箱に入ってて、すごい喜んでもらいましたね。その蜜蜂群の元の群は神社の御神木に居た群なので、『神の使いが入ってくれた』ってですね」
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