2021年(令和3年10月) 57号

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オオスズメバチの来襲が見えている

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 大栃の木が聳えていた場所から林道を少し下ると、急に谷が開けて新しく広い道路が現れた。そのすぐ横が折越蜂場だ。24群の巣箱が並んでいる。美穂さんは軽トラの運転席から降りないうちに「いっぱい居るね。いっぱい居る」と声に出して、警戒している。私には見えていないが、美穂さんにはオオスズメバチの来襲が見えているのだ。美穂さんは運転席から飛び出ると、一目散に巣箱の周りを飛ぶオオスズメバチへ向かい、捕虫網を振って捕獲している。すでにオオスズメバチに襲われたのか、巣門の前に蜜蜂の死骸がびっしりと落ちている巣箱が幾つもある。

 この日の作業は、越冬の準備として平地の蜂場へ巣箱を移すのが主たる目的だ。美穂さんが移動させる巣箱を選ぶための内検をしている。卵を産んでいない巣板を巣箱から抜く。ダニがいる可能性のある巣板も抜く。こうして少数精鋭の蜜蜂群にして、移動させるのだ。

 「餌は後からでもあげられるので……」と言って、移動させる群を選ぶことに集中しているようだったが、他の巣箱から抜いてあった蜜巣板を1枚入れてやっている群もある。

 「この子は餌がなかったので、あげました」と美穂さん。一応の作業ルールは決めておくが、蓋を開けた時の巣箱の状態で対応を判断していることが分かる。24群のうちで1群だけ2段の継ぎ箱になっている群がある。理由を尋ねると、「これだけ勢いが良くて残ったんでしょうね」と美穂さん。淡々と内検しながら巣板を抜いて、この群も単箱にした。

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