気っぷの良さが養蜂家に
独り内検を続ける美穂さんが新巣板を加える
父親の孝成さんが突然の事故で亡くなったのは2009(平21)年12月。残された600群の蜜蜂。それより1ヶ月前、元気だった父親から「蜂をやるか」と聞かれて、「私は継ぐ気はない」とはっきり答えた美穂さんが、11年間も蜜蜂を飼うことが出来ているのは何故なのか。動機は「600群の蜜蜂を見捨てることはできない」という使命感だったと想像する。もちろん、4姉妹の中で抱えている状況が許されたのが美穂さんだったというのも現実だろう。それにしても、わずか1日半の時間だったが、その仕事ぶりを間近に見せてもらって、決断の早さというか、気っぷの良さというのか、美穂さんが内に秘めている潔い性格と深い愛情が、養蜂家という職能に適していたのだと思わせた。
根尾川の河川敷で内検を終えて面布を取ると、美穂さんは汗びっしょりだった
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