人が財産みたいな家でね
日の出前、焚き火を囲んで作業が始まるのを待つ
日の出前、畑の脇にある空き地に数人の男たちが焚き火を囲んでいる。15トンの大型トラックで北海道から運んできた巣箱を、岐阜県揖斐郡(いびぐん)大野町の蜂場に設置する作業が始まろうとしていた。
「夕べ、ほぼ12時に帰ってきた。日本海は荒れてましたね。雨は降ってなかったけど、強い風でした。苫小牧港から敦賀までフェリーで23時間。仕事で使う道具を2トントラックに積んで、大型トラックと一緒にフェリーに乗るんです。もう(毎年のことなので)慣れちゃいました。酔い止め飲んで、対策はして、スマホに本とか入れているんで……」
食事会のために小森満彦さんが準備した天然アユ
(有)小森養蜂場従業員の川北聡和(かわきた そうわ)さん(43)が、焚き火に薪をくべている小森満彦(こもり みつひこ)さん(57)と話している。満彦さんが見慣れぬ私を見付けて、小森養蜂場との関係を説明してくれた。
「家が近くで親戚なもんでね。今日はバーベキューの準備係。年一回のお祭りみたいなもんなんでね。ぼくは名古屋の市場で輸入食品を扱っているんですけどね。トラックが帰って来るのは明け方なんで、みんなで安否確認しているみたいなもんですね。社長もみんな朗らかなもんでね。みんなが集まりますね。先代社長も人を集めるのが好きでした。人が財産みたいな家でね」
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