外国産だと輸入が滞った時に行き詰まる
制作を依頼していた柏木真一さん宅で出来上がった巣枠を受取る
この日の午後は、巣枠の組み立てを依頼している元大工の柏木真一(かしき しんいち)さん(76)の愛知県一宮市の自宅に、出来上がった巣枠を受取りに行った。柏木さんが小森養蜂場との出会いを教えてくれる。
「本物の蜂蜜が欲しかったもんで、養蜂家を探して小森養蜂場を訪ねたんです。その時に先代がちょうど巣枠を作っていて、大工だと言ったら『作ってくれ』ということになりましてね」
千草さんにしても柏木さんにしても、先代の和廣さんは人を巻き込んで味方に付ける才能に恵まれていたようだ。人を見抜く才能に長けていたのか、初対面の人でも信用してしまう根っからの善人だったのか。どちらにしても人としての器の大きさが伝わってくる。
朝日を浴びて巣箱の縁を歩く蜜蜂
三重県で作ってもらった巣枠の部品を柏木さんに組み立ててもらって、(巣礎を止める)針金を張るところまでやってもらっている。
「外国産だと輸入が滞った時に行き詰まるので、国産にこだわっているんです」と、太平さん。
柏木さん宅までの道中、トラックの助手席で養蜂家が頭を悩ますダニ対策について聞いた。
「北海道で寒いまま置いておいて産卵を止めて、蜂児を切らしておいてから移動します。蜂児がいる巣房の蓋を閉めると有蓋蜂児にダニが付くので、産卵を止めている間にダニ剤を入れて、成虫に付いているダニを駆除しておいてから移動するんです」
どの養蜂家もダニ対策には頭を悩ませているが、巣箱の中の様子が頭に描くことができなければ、ダニ対策はできないのだと理解した。
柏木さん宅から受け取った巣枠を倉庫へ収納する
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