交配用の養蜂は舞台でいう黒子
寺内蜂場に運び込まれた巣箱の巣門を開けると蜜蜂が一斉に活動を始めた
「蜂蜜採りは自分たちの生活のためですけど、ビニールハウスで農家さんが交配に使うポリネーションの蜂は社会貢献の蜂なんで、その地域の農家さんを陰で支える存在ですから、舞台でいう黒子のような存在ですから。例えば、大野町名産の柿でも、大野町全体に適材適所で置いて、一つの町で200群の交配蜂を使っているのは大野町だけですよ」
巣門を開けた後、蜜蜂群に異常はないかと点検する従業員の大橋拓門さん
横で太平さんの話を聞いていた、北海道から大型トラックで巣箱を運んで来た運送会社の西尾和久(にしお かずひさ)社長(72)が「上(縦)の繋がりと横の繋がりがないと、移動養蜂はできないですね」と、太平さんの人脈の広さを、それとなく教えてくれる。
寺内(じない)蜂場には、もう一台の別の大型トラックで運び込んだ550群の巣箱が整然と並べてある。従業員の鹿野幹大(しかの もとひろ)さん(28)と大橋拓門(おおはし ひろと)さん(23)が、次々と巣門を開けて蜂が自由に飛び出せるようにした後、異変はないか見回っていた。
小型トラックに積み替えた巣箱を降ろす小森太平さんや手伝いの人びと
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