仲間が欲しいやろ
整然と設置を終えた寺内蜂場の巣箱に朝日が射す
北海道から移動してきた合わせて蜜蜂950群の巣箱を設置し終えた午前10時過ぎ、小森養蜂場の駐車場で、満彦さんが腕に縒りを掛けた天然アユの炭火焼きを始め、バーベキューや鍋が提供されて手伝いの皆さんの食事会が始まった。太平さんの妻の千草(ちぐさ)さん(40)がおにぎりを配って歩いている。母親の香代子(かよこ)さん(69)も食器を片付けたり、自分の農園で育てた富有柿をお土産に持って帰ってもらうための準備をしたりと忙しそうだ。少し遅れて蜂場から帰ってきた太平さんが、手伝いに来てくれた一人ひとりに御礼の挨拶をして廻っている。
すでに手伝いに来た者同士で、会話の輪が幾つも出来ていた。そんな中、太平さんが若い養蜂家の竹中尚弥(たけなか なおや)さん(28)に話し掛ける。
食事会で参加者に御礼を伝える小森太平さん
「仲間が欲しいやろ、こんな集まりに顔を出して、繋がりを作っておかんとね」
竹中さんは工業高校を卒業して企業の職業訓練所に入ったのだが「自分には絶対合わんなと思って」、養蜂家の祖父と一緒に養蜂をやろうと決めたそうだ。「(養蜂を)まともにやっているのは、まだ2年です。小森さんの手伝いに北海道にも行ったことがありますよ。まだ1人前とはいかないのですが、採蜜は祖父ちゃん、祖母ちゃんが手伝いに来てくれますけん」と、謙虚だ。
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