パッカーと養蜂家
三次はちみつ蜂屋の店先に愛猫「シロ」
養蜂業界にはパッカーと養蜂家という2通りの業種があると、毅寿さんが言う。パッカーは蜂蜜を養蜂家から買い集めて販売に重点を置き、養蜂家は品質の良さを求めて蜂蜜を採り、蜂を育てることに重点を置く点で両者を区別できる。毅寿さんの蜜蜂に対する仕事ぶりは明らかに養蜂家の姿だが、目指す方向はパッカーに傾きつつあるように感じた。養蜂家として世話ができる蜜蜂の数には限界がある。与えられた時間の中で経済的な豊かさを追求すればパッカーに傾かざるを得ない。毅寿さんは養蜂家の魂を忘れないパッカーを目指しているのだと、彼の言葉の端々から伝わってくる。
三次市農業交流連携拠点施設「トレッタみよし」で開催されたフェスタで出展準備をする長女の芽衣さん(右)とスタッフ
2020(令2)年の国産蜂蜜の消費量は国内消費全体の約6%でしかない。毅寿さんが目指す養蜂家魂を忘れないパッカーが力を持って国産蜂蜜が増えるということは、蜜源となる豊かな自然が大切にされることにも繋がる。日本列島の自然が豊かになるということだ。
毅寿さんが今年の目標を教えてくれた。「社員3人の家族も一緒に美味しい物を食べて温泉に入って、楽しい旅行に行きたいですね」。毅寿さんが目指す大きい夢の一歩として、ぜひこの社員旅行を実現してほしいと願った。
光源寺毅寿さんの自宅兼店舗はこだわりの設計
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