蜂と遊びながら暮らす
落羽松(らくうしょう)の大木
勝手口の土間で話を聞かせてもらっている間にも宅配便が2個3個と届く。翌日も又、宅配便が届く。「ヤフオクとかメルカリ、あれ安いですよ。この頃はね、コタツの布団を買ったんですよ」と和良さん。孝子さんも「今日のはね、主人の夏のスリッパ。古くなったのをいつまでも履いていますから。それにお中元が近いので、少しですね」と、インターネット通販を積極的に利用している様子だ。隠岐郡西ノ島まで島根半島からフェリーだと2時間30分の所要時間。新しいツールを使うことで、離島の暮らしを少しでも快適にしようとする積極的な思いが伝わる和良さんと孝子さんだ。
「これ味わってみてください」と、帰り際にいただいた和蜂の蜜が入った瓶のラベルに「玩蜂庵(がんぽうあん)」とある。「蜂と遊びながら暮らす住まい」という意味なのだと和良さんから教えてもらった。わずか2日間だったが、楽しそうに「蜂のことを考え、蜂の視点で生活する」と言う和良さんの傍に居らせてもらうと、島の自然を愛し、島に貢献し、先祖を敬う和良さん夫妻の気負わない暮らしぶりが、まさに玩蜂庵なのだと気付いた。
落羽松(らくうしょう)の呼吸根(膝根)が干上がった
池の底から突き出している
継ぎ箱の巣門を作り「今日の仕事は終わり」と和良さん
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