2022年(令和4年8月) 64号

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夏は朝一番に高波動水を噴霧

 ときつ養蜂園の始業時間である午前8時過ぎ、「蜂場に水掛けに行きますけど……」と、従業員の矢野めぐみさん(39)が同行を誘ってくれた。オレンジ色の農業用貯水タンクを軽トラックに積んで向かった先は、事務所から10分ほどの山中、130群ほどの巣箱が置いてあるヤナギガエキ蜂場だ。

 熊からの被害を避けるために設置した電柵に沿って従業員の濱本美保(はまもと みほ)さん(46)が運転する軽トラックの荷台から、矢野さんが蜂場に並べた隅々の巣箱にも降りかかるように貯水タンクの水を噴霧していく。「これ、ただの水ではないんです。パイロゲンといってFFCテクノロジーで作った高波動の水なんです。夏は朝一番に、ほとんど毎日掛けるんですよ」と、矢野さん。私に内容は理解できないが、何だか貴重な水を惜しげもなく噴霧していることに驚く。

高波動水を噴霧し終わると、蜜蜂を狙ってやって来るスズメバチの捕獲器を確認し、捕獲器の中にスズメバチが捕らえられていれば取り出して処理する。続けて、30群ほどの巣箱が置いてある浅地蜂場へ向かい、ここでも高波動水を噴霧し、スズメバチの捕獲器を確認する。これで蜂場での朝の作業は終わりだ。

 矢野さんは20年間ほど薬局に勤めていたが、ときつ養蜂園に見学に来て「自分から来たい」とお願いして就職し、車の部品工場に勤めていた濱本さんはお客として来ているうちに従業員として働くようになったと言う。ときつ養蜂園には、人を惹き付ける何か特別な魅力が潜んでいるのかも知れない。

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