勉強して蜂屋を増やす
倉敷田中養蜂場では毎年、新王に入れ替えるため人工王台で新王を育てる
「桜が咲いた時には、菜の花も色々な花がいっぱいあるんですよ。その時に合同して強群にして、一滴でも多く蜜を採るんですよ。春の花が終わったら、分封熱を起こすから、強群にして卵を産ました。冬に蜂を作るんじゃという勉強が大事なんですよ。以前にな、那岐山(なぎさん・1255m 岡山県奈義町と鳥取県智頭町の境界)に居る蜂屋にな、冬にな、雪があるのに、蜂を買うてくれと言われて蜂を見に行ったら、蜂児がいっぱい居るんじゃ。ほほう、周りが雪でも蜂児は出来るんじゃと思いました。冬でも蜂児は出来るんですよ。これは、わしにも勉強になったんじゃ。継ぎ箱に満群の蜂に花粉を与えても意味はないんですよ。3枚群で増やすためじゃからな。そんな勉強会をひと月一回ぐらいは、ここに集まって……、焼き肉でもしながら情報交換をするぐらいでもいいかも知れん。最初はね……。蜂屋が居らんようになっとるんですよ。早よ勉強して蜂屋を増やしていかんと、蜂屋が日本から居らんようになる」
裏山の蜂場で巣箱の蓋に書かれた記号の意味を説明する田中常雄さん
ここまで朝から一気に話し続けた常雄さん。ふっと我に返ったかのように「昼食べに行こう。私の車で一緒に行ったらええ」と、唐突に玄関から出て行く常雄さんを追い掛けるように庭に出たが、この時点で、まだ写真は何も撮影していない。私の気持ちは少々焦っている。
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