2022年(令和4年9月)65号

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勉強して蜂屋を増やす

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 「桜が咲いた時には、菜の花も色々な花がいっぱいあるんですよ。その時に合同して強群にして、一滴でも多く蜜を採るんですよ。春の花が終わったら、分封熱を起こすから、強群にして卵を産ました。冬に蜂を作るんじゃという勉強が大事なんですよ。以前にな、那岐山(なぎさん・1255m 岡山県奈義町と鳥取県智頭町の境界)に居る蜂屋にな、冬にな、雪があるのに、蜂を買うてくれと言われて蜂を見に行ったら、蜂児がいっぱい居るんじゃ。ほほう、周りが雪でも蜂児は出来るんじゃと思いました。冬でも蜂児は出来るんですよ。これは、わしにも勉強になったんじゃ。継ぎ箱に満群の蜂に花粉を与えても意味はないんですよ。3枚群で増やすためじゃからな。そんな勉強会をひと月一回ぐらいは、ここに集まって……、焼き肉でもしながら情報交換をするぐらいでもいいかも知れん。最初はね……。蜂屋が居らんようになっとるんですよ。早よ勉強して蜂屋を増やしていかんと、蜂屋が日本から居らんようになる」

 ここまで朝から一気に話し続けた常雄さん。ふっと我に返ったかのように「昼食べに行こう。私の車で一緒に行ったらええ」と、唐突に玄関から出て行く常雄さんを追い掛けるように庭に出たが、この時点で、まだ写真は何も撮影していない。私の気持ちは少々焦っている。

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