2022年(令和4年9月) 65号

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蜂の人というよりは焼き物の人

 後ろ髪を引かれながらも、常雄さんのお茶を断って倉敷芸術村の敷地を歩き始めるとすぐに、下の倉庫で物音がしているのに気付く。常雄さんの孫の田中光俊(たなか みつとし)さん(34)と光本健治(みつもと けんじ)さん(76)が、不要になった巣箱を処分していた。

 「祖父と一緒に働き始めて、もう10年余りになりますね。僕が小さい時には蜂の人というよりは、焼き物の人という印象でしたね。ロクロを一緒に回したりして……。他所の養蜂家の仕事は知らないです。祖父が地盤は作ってくれているので、上手いこと引き継ぎ出来たら良いんですけど……」と、光俊さんは養蜂を引き継ぎたい気持ちはあるのだが、見たところ養蜂の肝心な仕事は、まだ任せて貰っていないのかも知れない。

 光本さんは倉敷田中養蜂場で働き始めて、まだ半年ほどだと言う。

 「たまたまバイトで行こうか言うたら『ほんなら来て』ということで……。養蜂家というたら手伝いに来ていた採蜜の時しか知らなかったから、こがん色々な仕事があるとは知らんかったですね。働き蜂が何週間しか生きんというのも知らんかったし……。ここは色々なことをさしてくれるから面白いですよ。(常雄さんは)あの年で色々発想して、実際やるからすげえなと思うよ」

 光俊さんと光本さんは、放置されたままになっている巣箱を軽トラックに積み込み登り窯まで運んでいる。

 「スムシにやられた巣箱なんです」と、光俊さんがヘラでスムシの痕跡を削り落とし、光本さんが軽トラックに積み込み、登り窯の横にある穴窯まで運んでいる。現在は、ほとんど使われていない穴窯で巣箱を燃やしているのだ。乾燥しきった巣箱を焚き口から投げ入れると、一気に炎が立ち上がり、焚き口の外にまで炎が噴き出してくる。光本さんが穴窯の屋根に燃え移らないようホースで水を掛けている。

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