2022年(令和4年10月) 66号

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花粉交配には光が当たらない

 巣箱を入れ替えている五十嵐さんの近くで、スズメバチ捕獲器を掃除していた久雄さんが訴えるように話し始めた。

 「蜜蜂の花粉交配の経済効果は相当な金額なんですけど、その経済効果が養蜂家には還元されないですね。花粉交配によって出来上がった農作物は県知事が率先して、海外にまで売り込みに行っているのに、花粉交配には光が当たらないんですよ。巣箱一箱、巣枠一枚にも使える、現場で使えるような政府の補助金はないですね。ダニの駆除剤も高価なもんですから、半分に切って使っている状態で、現場の実態は涙ぐましい努力ですよ」

 普段から胸の奥に仕舞っていた養蜂家に対する政府の冷たさが噴き出したような訴えだ。久雄さんは現在、福島県養蜂協会の副会長を務めていて、その前の4年間は会長を務めていた。それに日本養蜂協会の監事でもある。日頃から養蜂家の現状を目にしたり、窮状を訴える声が耳に入ってくる立場だ。

  初代が興した県養蜂協会ですから、(役職を引き受けて業界の役に立っていることを)忠造さんも喜んでいるんじゃないかと思っているんですよね」と、久雄さん。彼の意識の根幹には、一養蜂家としてだけでなく、養蜂業全体の問題点を意識しながら仕事に携わっていることが伝わってくる。

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