ほったらかし養蜂ができればいいな
積み込みを手伝いに来た佐藤誠志さんが巣箱を運ぶ
「4月15日ぐらいから、すばらしい女王蜂の群を選んで移虫して、人工王台を作っておいて理想の女王蜂を誕生させているんです。うちの種蜂の魅力でもあって、女王蜂だけ販売してくれという声もあるので、女王蜂のブリーダー(増産と販売)、たぶん日本初の女王蜂ブリーダーをやっています。今年は160匹の注文をいただいていまして、来年春は200匹やりたいなと思っています。業界では1週間に一回内検するというのが通常ですが、それは蜂にとってはどうなのかと疑問を持っていて、ほったらかし養蜂ができればいいなと思っているんですよね。実は、ここの蜂も採蜜を終えた8月4日を最後に見ていないんです」
「松茸採りやナメコ採りが忙しくて、色々な種類のキノコ採りをして、もうはまっちゃって、今年はさらに楽しくなっちゃって……。キノコ採りは朝4時からやりますんで、それが終わってから蜂を見にいくんですよ。岩手県は9月に入ったら一気に秋に変わりますからね。それくらい秋が早いです。こちらでは薪ストーブが多いので、薪にならないナラの原木を、今年は100本買って椎茸菌を打ちました。楽しいじゃないですか。人も蜂もストレスのない環境が良いですからね。これってすごく大事なことだと思うんですよ。蜜蜂は煙を掛けられ蓋を開けられれば、それがストレスじゃないですか。私の蜂は何でこんなに静かなのって言われるのですが、できるだけストレスを与えずに蜂と接しているからだと思うんですよ。今の季節の川を見ると、落ち葉がキラキラとすごく沢山流れていて、秋の花が終わるなと分かると、松茸やナラ茸などのキノコを楽しみで採りに行っているんですけど、山の状態を見て、蜂の管理をイメージするんです。ナメコが今、出ているんですよ」
周りを山に囲まれているため風は吹かず、低い山の頂を越えて明るい太陽光が降り注ぐトーマネ蜂場は、蜂たちにとって居心地の良い蜂場なのだろう。
トラックに巣箱を積み終わりロープを掛ける野々山さん
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