釣りという釣りは、全てやってきた
巣箱の移動を終えて安堵の表情を見せる野々山さん
採蜜、育成の期間から越冬を迎える区切りの季節に「関東で最も蜂蜜を採る養蜂家」として知られる野々山純さんを訪ね、そのエネルギッシュな行動力と周りの人びとを惹き付ける親分肌の人間性に接することができた。周りの人びとを自らのうねりに巻き込む人的魅力を秘めているのだ。今回、自動車修理工場を廃業して養蜂家となった野々山さんの生き様を伺いながら感じたのは、自然の中に身を置くことで喜びを得る生物的な本能の持ち主なのだということである。話の端々に出てきたキノコ採りについては勿論だが、「釣りという釣りは、全てやってきたんじゃないかな。特に渓流釣りはメーカーのテスターもやっていましたよ。ルアーやテンカラ(毛針の一種)を作ってね」とも話していたことを振り返ると、養蜂家を選択した決断は、当然の成り行きだったのだと思えてきた。
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