蜂の営みは組織作り
単箱の巣板にはびっしりと蜜蜂がたかる
「蜂の営みを観ていると、会社経営と似ていると思いますね。勢いがあるからと、大きくすると餌(花蜜)が足らなくなるじゃないですか。勢いが強いと古い女王蜂を追い出してしまいますけど、そうすると沢山の蜂を連れて出て(分封して)しまって、元群が弱くなってしまいますよね。そういうのは組織作りと似ていて面白いと思いますね。それに何と言っても攻撃してくる奴が老いた蜂だというのはすごい。群を維持するために、ちゃんと若い奴を残している。生きなきゃならない時に生きる。死ななきゃならない時に死ぬ。あいつらはすごい。武士道ですよ。無の境地ですよ」
巣板の周辺に蜜蓋、中央には蜂児
松永さんの話は限りなく精神論の深まりを帯びてきた。松永さんが奥から持って来た小さな書物は「天狗芸術論」。江戸時代前期の武士が著した兵法の精神を説く剣術書だ。
「僕が西表島で養蜂をやっている基本姿勢は、西表島のブランドを上げていく一助になりたいということなんです。西表島で自然体験をされたリゾートのお客さんが、ただの甘味料としてではなく、西表島の自然を蜂蜜の中に思い描いて食べていただければ本望ですね」
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