蜂は餌箱の方へ増えていく
藤岡信雄さん
藤岡さんにはもう一つ、蜂を増やす具体的な技術について教えられた。
「蜂は餌箱の方へ増えていくけど、その反対向けは増えていかんのよ」
意味が呑み込めないで戸惑っていると、藤岡さんが巣箱の中に置かれた巣板の位置図を書いて説明してくれた。2月から3月に向けては、間もなくやってくる採蜜期に向けて蜂の数を増やさなければならない時期だ。その際、巣箱の一番外側は冷たい外気の影響を受けるから餌(蜜)の入った巣板を1枚置き、2番目の巣板から卵を産ませ、空巣(からす)を給餌箱の方に向けて順繰りに増やすことで、蜂児の居る巣板を増やしていけるということなのだ。
「継ぎ箱を降ろしたのが1月15日よ。去年の秋には降ろさないかんのに、寒(かん)に応えてね、(蜂場に)行かざったのよ。去年の暮れの大寒波では、ここらでもイチゴハウスが潰れるほど雪が降ったもんな。2日間、降り通したね」
翌朝は近くの喫茶店でモーニングサービスを一緒に、と約束して辞した。
藤岡さんの屋敷全体が蜂場になっていて右の建物が
3階建て倉庫
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