蜜蜂でトマトの交配はできない
広々とした田んぼの中に置いた単箱に継ぎ箱を載せてレンゲ蜜を採る準備が進む
翌日は、間もなく始まるレンゲ蜜の採蜜準備として、越冬して蜂児が増え始めた群の単箱の入れ替えと蜂数を増やすために継ぎ箱を載せていく作業だ。約束の午前8時前に事務所に伺うと、千年さんがCoffeeを淹れて待っていてくれた。午前5時から仕事をしていたのだと言う。「作業時間前にちょっと案内しましょう」と誘ってくれたのは、マルハナバチの飼育室。ミツバチボーヤと名付けた段ボウルの飼育箱に巣板の数で1000匹、2000匹、3000匹と分け、女王蜂が居なくても1、2か月間は受粉できるようにフェロモンを使って育てている。
巣板が蜂児で一杯になっている。これから一斉に羽化し蜂数が増えていく
運んできた古い単箱を和輝さんがトラックから降ろす
「マルハナバチはトマトの交配用なんです。人の手でやるよりマルハナバチで受粉した方が重さも形も大きくなりますよ。蜜蜂ではトマトの交配はできないんです。トマトは花粉と蜜の量が少ないので蜜蜂は花に行かないんです。少しの蜜を採りに行くよりは、蓄えがあるからじっとしている方が良いとするんですね。でも、マルハナバチはスズメバチと同じようにその日暮らしなんですよ。そやけん、少量でも蜜があれば行く訳ですよ。マルハナバチにはマルハナバチの役割があるということですよね」
蜜蜂とマルハナバチにそんな違いがあるとは驚いた。それぞれの特性を活かした交配用蜂の飼育がハウス農業に貢献しているのを目の当たりにした思いだ。
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