2023年(令和5年4月)71号

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アナフィラキシー反応が出て

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 翌日は晴天の朝を迎えた。ポコトスカーナ駐車場上のクスノキにツリーハウスが作られている。現在のところ有効に使われている様子はないが、洋典さんと由香さんが思い描いた暮らしのイメージが形になったのだろう。ウグイスのさえずりが近くの雑木林から聞こえる。養蜂用具を置いてあるホワイトハウスと呼ぶ白く大きなパイプハウスの前で由香さんが青いズボンに白い上着、レンガ色の長靴を履いて面布を着け、準備万端の様子だ。

 実は、由香さん、以前の作業中に蜂に刺されてアナフィラキシー反応が出て、救急搬送されたことがあるという。

 「1回と2回刺された時までは体に変化はなかったんですけど、3回目に刺された時は呼吸がしづらくなって救急車で大きな病院に運ばれました。全身にジンマシンが出て血圧降下が起こって……。それで今は、刺された時の用心に、いつも蜂場へエピペン(アナフィラキシーの症状を抑える補助治療剤)を持って行ってます」

 由香さんは何ごともなかったように淡々と話すが、蜂場では細心の注意をして欲しいと願わずにはおられない。

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