釣った鮭をストックする冷凍庫
宿南蜂場の草刈りを終えてホッとした表情を見せる健一さん
「ところで今日の弁当のおかずは、オホーツク海で釣った体長90㎝くらい重さ5.3キロの鮭なんですけど、一緒にどうですか」と、健一さんが突然昼食に誘ってくれる。健一さんの話は話題が急展開するので、必死で付いていく。「北海道江差町の海岸で朝4時くらいからかな。9月から解禁になるんですよ。解禁の朝は海岸にずらーっと釣り人が隙間なく並んどって遅れていくともう入り込めないですよ。釣れる時間は、5時から7時までの間で1時間くらいかな。釣った鮭をストックするために大きな冷凍庫を買ったんです」
販売店近くの倉庫内には蜂蜜をストックするための大きな冷蔵庫が備えてある
健一さんに誘われるまま軽トラックの後をレンタカーで付いて行くと、古い集落の一角にある民家の庭に入って行く。この庭にも石垣に使うほどの大きさの石が山になって積んであることで、ここが健一さんの家なのだと分かる。「作業場にしようと、この家は最近買ったんですよ。裏にフォークリフトが入るスペースがあるもんだから、それで気に入って即決ですよ。買ったばかりで前の人が住んでいたままなんですけど、ここで弁当を食べようと思ってですね」と案内されて座敷に上がると、妻の百合子さん(69)と高校時代から百合子さんと仲良しだという節子さん(69)が待ち構えていて、大きな座卓一杯におかずを並べた昼食が始まった。その中に健一さんが釣ったという鮭の分厚い切り身も並べてある。「市販の塩鮭は辛くて食べられないけど、この鮭は自家製で甘塩だから美味しいですよ」と、健一さんが勧めてくれる。昼食の食卓を囲む和やかな雰囲気が3人の仲の良さを伝えている。
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