結晶した方が美味しいよね
雨降りの午前中は蜂蜜の瓶詰め作業をする
翌朝も小雨模様。自宅兼作業場を朝早い時間に訪ねると、豪さんが朝食の準備をしていた。友人でスケートボードショップで働いている祢津 直紀(ねっつ なおき)さん(37)が遊びがてら豪さんの仕事を手伝いに来ている。午前中は今年採った蜂蜜の瓶詰めをすることになった。2人が蜂蜜の瓶詰めをしながら、BIYAJIMA BEE FARMの販売戦略を話し合っている。
祢津さんが提案する。「瓶にシルクスクリーンでラベルをプリントすればポップでカッコ良いのに……」「それいいね」と豪さん。「豪ちゃんとこ地味系じゃない。もっとポップにやれば良いのに……」「うーん、でも、高級感も大事だから」「瓶にシルクスクリーンを印刷する時点で高級だよ」。斬新なアイデアを祢津さんが提供している。
しばらくすると、話題が変わる。
「リンゴ(蜜)とかは結晶した方が美味しいよね」と、豪さん。すると、祢津さんは「えっ、結晶した蜂蜜ってザラザラしていて、結晶していない方がフレッシュで美味しい気がするよ」と応える。豪さんが再び「リンゴは結晶した方がコクが出て美味しいよ」と自説を曲げない。お互い屈託のない良い友だち同士であることが伝わってくる。四方山の話題が続きながら、瓶詰め作業も続く。
「もう、(採蜜は)終わり」と祢津さんが確かめるように聞く。豪さん「あと、戸隠でボダイジュが採れれば採りたいし、百花(蜜)もまだ2回目が採れるよ。2回目の百花(蜜)は、クリ、クローバー、トチ、ハーブ系のラベンダー蜜が入ってきて美味しいよ。結晶蜂蜜の人気だってあるんだよ。アーユルヴェーダ(注:インド亜大陸の伝統的医学。心、体、行動、環境を含む全体の調和が健康に重要とする全体観医学:ウィキペディアによる)の人たちは1年経った蜂蜜が良いって言っているしね。うちの蜂蜜を長野の人に買ってほしいよね」
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