蜂の密度を高め越冬に備える
竜馬さんはまだ2年間の経験だが一人前の仕事をこなす
翌日も市原市は良く晴れた穏やかな朝だった。気温が上がるのを待って午前9時ごろから始めた内検だったが、まだ気温は低めだ。昨日整然と並べた巣箱が朝日に照らされ輝いている。
「今、10℃ちょっと……、15℃くらいあるとやり良いんですけど……。寒いから蜂が温かい私の体に寄って来るんでやりにくいですね。刷毛で払っても頭を巣房に突っ込んで出てこないのもいて、持ち帰る巣板を車に積んだ後から飛び出したりして、やっかいなんですよ」
暖かい日射しが注ぐ千葉県の蜂場で内検が続く
こう説明しながら憲二さんが行っている内検は、移動を終えて初めての内検なので、巣箱の中の巣板の数を減らして蜂の密度を高め、寒さに耐えられるようにすることが第一だ。そのために冬の間の餌となる蜜が溜まっている巣板は巣箱に残し、余った巣板は来春使うために持ち帰る。つまり蜜の溜まり具合を確認して巣箱に残す巣板を選別するのが主な目的である。
撮影のために私が巣箱の近くを歩いていると、憲二さんが巣門前の地面を指差して「気温がね、まだだから、そこら辺に蜂が落ちていますからね」と注意を促す。良く見ると、陽だまりに蜂の小さな塊が出来ている。うっかり踏んでしまうところだった。
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