蜂が腹を減らかして大変でした
はけた養蜂場の近くは秋の気配
しかし、私は青木村で長い時間を過ごす訳にはいかない。慶助さんを促して上田市に引き返した。帰り道で軽トラックを運転する慶助さんに、自らの養蜂について話をしてもらった。
「自分はね、プロパンガスの販売をやっていたんで、冬は忙しいけど、夏は時間があるんでね。それで両方できたんですよ。今は軽トラ3台でやっているんだけど、これで充分です。蜂場は今の時期は3か所。うちが良かったのは昔からやっているからアカシアの良い場所を確保できているからね。こっちの方はまだまだアカシアですね。10か所から12か所拠点にできる場所が確保できているからね。去年は暑くてアレチウリの花が咲く前に茎が枯れてしまって、今年の春先に餌として与える蜜がなくて、蜂が腹を減らかして大変でした。仕切板の外側に僅かな蜜の入った蜜巣板を入れてやったりして、やっと乗り切ったんです。今年は雨が降ってアレチウリの蜜が入りましたね。アレチウリというのは一週間で一杯になっちゃうんで、こまめに(巣板を)見ないと圧迫しちゃってね。うちはアカシア、リンゴ、ソバ、クリ、百花の蜜を採りますけど、今入っているのはアレチウリなんで、春先の餌ですよね。巣箱に9枚入っている巣枠のうち3枚くらいはベタ蜜だから、卵の巣房が少ないんですよ。養蜂はやっぱりね、自然だからですね、自然の中で蜂を飼っている仕事ですからね。牛や馬を飼っているのと違いますよね。遊び心も含めてやっておられるのが養蜂の良い所じゃないですか。移動の時は大変だけど、それだって楽しみながらできますからね。年によっては蜜が採れない年もあるけど、みんながそうだからね。しゃーねーやって思えますよね」
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