2024年(令和6年11月) 81号

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ヘビを捕まえるのも平気

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 「私ね、現在は上田市になっているけど、真田町傍陽(さなだまち そえひ)の田舎で生まれ育ち、貧乏生活をしていましたからね。桃を作っていたんですよ。でも今は、荒らしちゃってひどいもんです。はけた養蜂場は、そこで始まったんです。自然の中で育ちましたからね、ヘビを捕まえるのも平気。洗馬川(せばがわ)という川が流れていましてね、それが上川から千曲川へと合流していくんです。言ってみれば、傍陽が、はけた養蜂場の原点ですね」

 力斗さんが前もって調べておいたアレチウリ蜜が圧迫している蜜巣板を巣箱から取り出すと、蜂を払って継ぎ箱に入れていく。力斗さんに手を貸すように巣箱を挟んで作業をしている慶助さんは、自然と嬉しさが込み上げるようで笑顔が絶えない。この朝の作業は20分ほどで終わった。

 持ち帰った蜜巣板の蜜は、昼過ぎに搾ると力斗さんが言う。「今日、持って帰って、今日搾らないと無理なんですよ。ひと晩置くと夜の間に気温が下がって蜜が硬くなると、もういっさい蜜が出なくなってしまって……」。この後、力斗さんは数日前に受け取っていた宅配料金の見積もりの打合せと配達に出掛けた。

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