砂糖はくれないし、
代用花粉もくれてない
真剣な眼差しで巣板を見る橋詰さん
「(高崎市)榛名の梅林では、(蜂群を)持って行っただけで(梅の)生りが良くなったと褒めてくれる。自然界の循環を蜂が豊かにしてくれているんだよな。その結果、経済も回していければな」と、橋詰さん。それに呼応するように日月さんが「ここの場所(北軽井沢)で長く事業をやっていくには、どうしたら良いだろうと、常に考えていますね」。
「5月の連休に入って採蜜が本格化して、3週間で(一斗缶)60缶から70缶採っています。昨年の採蜜が140缶だったので、今年も、それ以上は採りたいですね。全体が140群で、そのうち採蜜群が80群、育生群が60群。今後の目標としては隔王板を使ったスタンダードな方法で400缶まで採りたいね。信じ切るかどうかが成否を分けると思うけど……。糖度は80度以上でなければ採らないし、現場搾りはやらない。(餌として)砂糖(水)はくれ(与え)ないし、代用花粉もくれてない。自然界の流れの中で出来るんです。(最初に採蜜する)高崎(市)でも砂糖ってくれてないから、掃除蜜は必要ないんです。冬の蜜は(最初に採る)サクラ蜜に混じらないように搾るからね。
トウダチ(薹立ち)して満開のトチノキの花
僕は(養蜂を)独学で始めたけど、群馬県内の養蜂家を訪ねて手伝わせてもらい勉強をしました。移虫はせずに王台、変成王台で群を伸ばすやり方です。会社の中で、養蜂をやりたいと言ってくれる社員がいるので(群数を増やすために)種蜂を配りたいと思っています。蜂を直接扱っているのは養蜂チームの3人だけど、社内の多くの人が可愛がってくれているので、現場の負担は少ないですね。ポリネーション用の巣箱は、会社で伐り出した材木のサワラやヒノキを林業部門で製材してもらって作っているんですよ。きたもっくの会社全体で蜂蜜に関してどう展開していくのかを描く必要があると思うけど、うちの会社は生態系みたいに部門間での関係が複雑だよね」
蜜蜂の顔を正面から見るとどう猛さがある
富岡真梨子さんが「巣箱が日陰になると蜂が怒るんで」と、座る位置を移動する
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