2025年(令和7年11月) .  87号

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蜂数を増やしたい空巣を真ん中に

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 マキの木の防風林はあるが、大きな木立がなく上空まで昇った太陽が照り付ける。「こういう陽当たりの良い蜂場の夏場はやっぱり厳しいですね。やっと蜂が増えてきた感じです」と、石川さん。今年の酷暑は蜂たちにも厳しい暑さだったようだ。

 「今は(蜂数を)増やしたい時期なので、空巣を真ん中に入れてやると、蜂の増え方に勢いがつくことが分かったので、去年からそうやっているんです。本来、卵が集中している筈の箇所が空いているので、蜂が補おうとするんでしょうね」

 巣箱の巣門前にはスズメバチの捕獲器が取り付けてあって、網の中を覗くと3、4匹のスズメバチが入っている。巣箱の上にはネズミ捕りの粘着板が置いてあり、ここにも5、6匹のスズメバチが貼り付いている。

 程なく黒澤さんも合流してきた。会社で来訪者との打合せがあったようだ。巣箱の内検を終えると、それぞれが内検を終えた巣箱の横に「2」とか「4.5」とか、数字を書き込んでいる。「蜂児の数なんです」と、石川さんが教えてくれる。蜂児の巣板を数え、貯蜜の状態を見て、貯蜜が少ないようだと砂糖水を給餌箱に補充して蓋を閉めて、内検は終わりだ。ほとんど何もしないまま蓋を閉めた巣箱もある。

 「蜂児が2枚、けっこう沢山あって、貯蜜も沢山あったので……」と、石川さん。基本的にはほとんどの群に砂糖水を補充し、寒さに向かう折なので空の巣板を抜いて蜂の密度を高めるための内検だ。

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