素手で触ると蜂も健康
       蜜を溜めてある巣房の蓋をハイブツールで傷を付けて蜂が餌として食べられるようにする
尾奈上蜂場の端に、養蜂部で「大成くんの蜂」と呼ぶ別に並べた4群の巣箱が置いてあった。長坂養蜂場店舗事業部の滝川 大成(たきがわ たいせい)さん(24)が自ら望んで管理している蜂なのだが、どうやら養蜂部にお任せなのが現実らしい。しかし、そんな余裕というか、遊び心が許容されているところにも社内のコミュニケーション力の効果を感じさせる。
尾奈上蜂場で内検は、午前11時過ぎに終了した。一旦、会社に戻って昼食を摂ってから午後の内検だ。
午後は本坂奥蜂場、背の高い林に四方を囲まれて34群の巣箱が整然と並んでいる。そのうちの3群の巣箱だけが少し離れた所に置いてある。昼食後、一足早く内検を始めていた黒澤さんに、その訳を尋ねた。
「例年よりは早く、6月末から8月までの間に百花の採蜜が終わったら直ちに割り出した群なんで、別に置いてあるんです。蜜がある間の方が蜂が落ち着いていますから」
       平山蜂場で石川さんと細谷さんが雄蜂の蜂児がある枠を見て対策を相談する
見れば、黒澤さんも素手で作業をしている。
「ここに来て1年過ぎてから素手で作業するようになりました。昨年退職した先輩が素手で作業をやっていたのと、昨年集中的に修業させてもらった西岡養蜂園でも素手で作業をしていましたので……。素手で触って分かることも沢山あるし、蜂も健康になると言いますからね。蜂が健康になると聞けば、良いかなと思えますよね。蜜蜂基点というか、原点に戻るということです。『ゴールイメージに立ち返りましょう』というのがクレド(企業の行動規範)にもありますよね」
クレドという単語に触発されたのか、黒澤さんが社内研修の話をする。
「今年から1、2年目の社員へ3、4年目の先輩社員が研修する『若手同士が高め合っていく』研修が始まったんです。それで若手同士の仲が良いですよ」
       満開のセイタカアワダチソウの花粉を貯めた巣板
    
    
    
    
    
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