2025年(令和7年12月) 88号

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初代は貨物列車に巣箱を積んで

 サルバドール・ダリの髭ほどではないが、立派な口髭をピンと横に伸ばした新垣勉(あらかき つとむ)さん(77)が、新垣養蜂園で迎えてくれた。沖縄県那覇市を象徴する首里城へ続く坂道に建つ鉄筋コンクリート3階建ての店は、創業1954年という歴史を感じさせる店構えだ。

 「僕は、もう養蜂は子どもたちに譲って、忙しい時に手伝う程度です。声が掛かれば何でもできますから……。沖縄養蜂の強みは種蜂出荷。これまで種蜂出荷は長野県が一番だったけど、今では沖縄が一番です。シロバナセンダングサは夏場に気温が30℃より上がると花は咲かないけど、冬の間は咲いているし、桜も2月頃に咲きますからね。12月にはアサグラ(フカノキ)が咲きますから。本部町に多い花で、山の中に自然に咲いていますよ。蜂蜜には少し苦味がありますね。最近は「苦蜜」として人気があるようですよ」

 威厳のある髭面とは異なり、初対面の私にも勉さんの口調には親しみがこもっている。

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