蜂を箸で摘まんで背中に蜂針
勉さんが蜂針治療をするために自作の装置で蜜蜂を集める
「蜂針治療は父から行けといわれて、医学の勉強みたいなもので難しくて、少しずつ勉強して、今では与那国や奄美大島まで口コミが広がって知られているようですけど……。匂いと噂は遠くから隣に来るようになったら本物だと言うからね。何でも口コミが一番良いですよ。蜂針治療は民間療法ですから口コミで広がっていくんですけど、戦前は蜂刺激療法という免許があったようなんですけど、戦後はアメリカ軍から駄目と言われ……。2000年にNPO法人日本アピセラピー研究会を立ち上げて、沖縄では2年前に蜂針治療する人たちで集まったんですけど、活動はまだ充分ではないですね。ずっと昔、私が小学校3年生の頃ですけどね。蜂針治療はうちの母がやっていましたよ。巣門のすぐ傍に座って、巣門を出入りする蜂を箸で摘まんで、知らないおばちゃんの背中に蜂針を刺していましたからね」
70年ほど昔のことだが、過激な治療が行われていたようだ。
屋上の蜂場へ昇る階段に置かれた置物に遊び心
新垣養蜂園のプロポリス販売用の単車
昼休み後、屋上の蜂場に上がってみると、面布も手袋も着けないで勉さんが巣箱を開けて小さな掃除機らしき道具で作業をしている。小さな掃除機を何度も改良した「蜂集め機」だ。巣板に集る蜜蜂を吸い取り小さな金網の箱の中に蜂針治療に使う蜂を集める道具だと言う。
「集めるのは80匹くらいですかね。一群からだけ集めると蜂が減ってしまうもんですから、少しずつあちこっちの群から集めるんですよ」と、勉さん。午後2時半に蜂針治療を予約したお客さんのための準備だった。
Supported by 山田養蜂場
Photography& Copyright:Akutagawa Jin
Design:Hagiwara Hironori
Proofreading:Hashiguchi Junichi
WebDesign:Pawanavi