2026年(令和8年3月) 90号

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究極が額面蜂児

 ただ傍らから見ているだけでは、養蜂家が巣箱のどこを見て作業をしているのか分からないが、このように説明を受けると、養蜂家の視線が巣箱の中の何に向かっているのかが理解できてくる。

 採蜜期に継ぎ箱を重ねて単箱との間に隔王板を挟むまでは、単箱の中央に近い巣板の中心から女王蜂は卵を産み始めて、卵を産む範囲を巣板の外側に向けて広げていく習性を持っている。蜜は逆に、巣板の周辺から内側の巣房へ向けて溜めていくため、いずれかの時点で女王蜂が卵を産む巣房と働き蜂が蜜を溜める巣房の接点がやってくるのだ。例えば、巣板が8枚入っている巣箱を一つの立体的な空間として捉えてみると、空間の中心に当たる箇所は卵を産む球状になっていて、女王蜂が精力的に卵を産み付ければ、最初はソフトボール状の大きさだった産卵スペースが膨らみ、やがてバレーボール状の大きさに拡張し、より周辺へ広がっていくことになる。その究極が「額面蜂児」と言われ、巣板全面に卵を産み付けられた状態だ。当然、女王蜂が卵を産み付けた時期はズレるため、卵、幼虫、蛹の状態が同時に存在することになる。額面蜂児は養蜂家が目指す最良の状態だが、その場合、蜜を溜める巣房は卵や蛹に取られているので、継ぎ箱を載せた2段の状態であることが前提である。

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